山本 篤史 ATSUSHI YAMAMOTO -電気設備- 京都本社 設備室 2015年入社
私は建物の電気設備の設計を担当しています。あまり馴染みのない仕事に感じられるかもしれませんが、建物内に電気をどのようにして送るかを決める重要な設計の仕事です。屋上や地上に大きな鋼板製の箱が設置されているのを見かけたことがあるかもしれません。この設備をキュービクルといい、電気を送るための心臓部で電気設備の中でも最も重要な設備の一つです。電気の設計は基準が厳しく定められた法律を遵守し、安全な設計を行う必要があります。 私の担当している案件は、病院、学校、庁舎、福祉施設、児童施設等、多岐にわたります。電気設備ではコンセントや電話、テレビ、LAN等の日常使用する設備の設計も行います。これら使い勝手に大きく関わる内容については、お客様と十分に打合せを行い、設計に反映していきます。
私が内藤建築事務所を選んだ理由は病院設計に強みをもっている事務所だからです。病院設計は様々な知識を必要とし、設備設計者にとっても常に新しい知識に触れられ、経験を積むことが出来る為、日々成長を感じることができます。この仕事を通じて感じたことは、知識は座学で学んだだけではあまり頭に残らないということです。例えば提案書においても、作成したものをお客様に提示して単に意見を聞くだけではなく、その資料に対してどのような質問を受けるかを想像し、事前に周辺知識を頭に入れておくことにより、より充実した打合せになると同時に知識の定着にもつながります。 日々の業務は多忙で、決して楽な仕事ではありませんが、元々モノづくりがしたくて飛び込んだ建築の世界で、やはり建物が建った後の喜びはひとしおです。先日も設計を担当した保育園の竣工後に現場に立ち寄った際、子供たちが園庭で元気に遊んでいる姿を見たときは、自己完結で終わらない建築というモノづくりに携われることができていることに改めて嬉しく思いました。
私は設備事務所で設備設計の基礎を学び、その後、設計事務所で意匠・構造・設備の三者が一体になって案件を進める仕事の全体の流れを経験した後、縁あって内藤建築事務所に入社しました。振り返ればキャリアアップにつながっているのですが、その道のりは決して順風満帆ではなく、紆余曲折を経て色々な人との「縁」によって今この仕事ができています。人生には様々な選択がありますが、その先にある「出会い」を今後も大切にしていきたいと思っています。